鎌倉社会福祉協議会

お電話でのお問合せは
0467-23-1075
(代表)

鎌倉社会福祉協議会

鎌倉社会福祉協議会


事務局だより

日々のちょっとしたことなど、お知らせしております

”社会を明るくする運動”作文コンテスト 入賞作文  ■  2020年7月28日(火)

『だれもが笑顔でいられるように』

 法務省が主唱する”社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちに更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動です。
 その中でもこの作文コンテストは、本運動の一環として、次代を担う全国の小・中学生に、日常の家庭生活や学校生活の中で体験したことを基に、犯罪・非行のない地域社会づくりなどについて考えたことや感じたことを作文にすることを通じ、本運動に対する理解を深めてもらうことを目的としております。(冊子 はしがきより抜粋)

 小学生の部 全国保護司連盟理事長賞(優秀賞)
だれもが笑顔でいられるように
岐阜県高山市立南小学校 六年 幅 聡美(はば さとみ)

 「YESかNOで答えて下さい。」
 先生が黒板に質問を書き始めました。一つ目の「困っている人がいたら進んで助けたい。」と、二つ目の「昔の失敗をいつまでも悪く言うのはおかしい。」という質問は、どちらも私がそうしたいと思っていること。それは、ふつうにしていかなければならないことでした。私の答えはもちろん「YES]です。しかし、三つ目の質問を見たとき、クラス中がどよめきました。それは、「逮捕されたことがある人が、近所に住むのは嫌だ。」というものでした。逮捕されたのが昔の事だとしても、警察にお世話になるくらい悪いことをした人なら、また何かするかもしれない、何か危害を加えられるかもしれないと思いました。だからこの質問にも「YES」と答えました。「昔の失敗をいつまでも悪く言うのはおかしい。」という考えとは矛盾していますが、怖さが勝ったからです。
 その後、ビデオを見ました。内容は刑務所を出所した人の話でした。懸命に仕事を探してもなかなか見つからず、家族ともギクシャクしてしまう。しかも、職場の人を信用して自分のことを話したら、職場でも居場所を失ってしまう。そんな苦しい状況が語られていました。このビデオを見て、私の考えは正反対になりました。犯罪は許されることではないけれど、反省し、罪をつぐなおうとしている人には、チャンスが必要ではないかと思ったからです。「私たちが変わらないと、こんな社会は変わらない。」そう考えました。
 私にできることは何か、変われることは何か考えてみた時、ふと家族のことが頭に浮かんできました。
 私には兄弟がいません。一人っ子です。だから、何かあったときに家族に色々ぶつけてしまうことがあります。ある日、私のお気に入りのぬいぐるみが、突然消えてしまったことがあります。その時、触るとしたら家族に違いないと、
「どこやったの?」
と怒りながら聞いてまわりました。探しても探しても見つからず、焦りと怒りがこみ上げてきました。
「本当に触っとらんのやおな?」
と何度も確認しました。それは、前にも同じようなことがあったからです。でも、ふと友達と交換していたことを思い出しました。ただ単に、私が忘れていただけのことでした。
 自分がやっていないことを、「さとちゃんのせいだ。」と言われたら嫌なのに、それと同じ事を私もしてしまっていたと気付きました。
 こうやって考えてみると、私には遠い世界にあると思っていた偏見の念が、意外と近くにあったと気付かされました。
 私は初め、犯罪をした人だからまた何かするかもしれない、と決め付けてしまっていました。でも、その決め付けのせいで、家族にも嫌な思いをさせてしまっていました。自分は差別や偏見を持っていないつもりでも、気付いていないだけで、もしかしたら苦しませてしまっていた人や、これから苦しめてしまう人が出てくるかもしれません。そう考えると、少し怖くなりました。
 正直、犯罪をした人が側にいたら怖いです。だからといって、勝手な決めつけでは、問題は解決しません。社会全体が協力し、偏見の思いをもつ人を一人でも減らしていくことが大事だと感じました。
 私にできることは少ないかもしれませんが、まずは、自分から変わっていきたいです。相手の立場に立って考えてみて、それでも分からなかったら、話を聞いて理解しようとしていく。お互いのことを知ることで、相手を認めることができるようになると思います。
 そうやって互いを理解し、だれもが前を向いて、笑顔でいられる社会にしていきたいです。